レーマ
緩和ケアの推進を
渡辺 孝子
1
1埼玉県立がんセンター看護部
pp.210-211
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902188
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年の瀬のあわただしい数日の間に,働き盛りの仲間をがんで2人も失った.1人は18年来の私の部下で,がん専門病院の看護を誠心誠意支えてくれたUさんである.もう1人は,医療機関の不足に悩む埼玉県にがん専門病院を設立するという任務を受けて,公務員としての後半をがん医療充実のために捧げたMさんである.
Uさんがこの春,体の不調に気付き,勤め先の病院で検査を受けたところ,かなり進行した胆嚢がんが発見された.あわただしく入院し,がんの進行を食い止める治療とともに,緩和ケアにも重点をおいた医療を受け退院できるまでに漕ぎつけた.その後しばしの間自宅で療養に励んでいたが,がん病変の急激な再燃のために再び入院してわずか10日目,発病から8か月目に不帰の人となった.
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