特集 院内感染防止のための看護マネジメント―MRSAにどう対処するか
MRSA院内感染への対策―大垣市民病院における看護部門の役割
松井 一枝
1
1大垣市民病院
pp.245-249
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901830
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はじめに
近年,院内感染に対する病院内外の関心は,いよいよ高まりつつある.それはB型肝炎による職員の死亡事件や,AIDSの拡大などに続いて,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の流行が,しばしばマスコミで取り上げられることによっても示される.なぜMRSAがこれほどまでに騒がれるのか.それは,わが国の院内感染対策が欧米のそれに比べて,高度医療が進んだ割には,取り残されていることに気づかれたためでもあろう.
どうすればよいのかは,欧米の指針に習わずとも,わが国にも参考書はいくつもある.そして看護婦に期待されるところが大きいことは,外国の感染防止専門看護婦が重要な役割を担っていることから,すでに明らかである.しかし現実には,それを実行するための十分なシステムと経験が乏しい.理由はいろいろあろうが,対策は急がなければならないところまできている.
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