検査法の基礎
検査室におけるMRSA院内感染予防対策
浅野 裕子
1
,
石郷 潮美
1
,
入山 純司
1
,
水口 一衛
2
1大垣市民病院臨床検査技術部
2大垣市民病院集中治療室
pp.603-609
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900749
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サマリー
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)は,難治性の院内感染原因菌として急激な増加傾向を示しており,根本的な感染防止対策の必要性が急務となっている.これに対して院内感染対策委員会は,感染対策マニュアルの作成と同時にその実施に努める必要がある.この組織の構成メンバーとして細菌検査室は重要な役割を担っており,その内容は院内全体および病棟単位の分離状況,薬剤感受性の動向,患者個々の分離菌の変遷などの報告,そして,環境検査として,感染源,感染経路の検索を含めた病院内での分布調査の実施と結果の検討などが挙げられる.本稿では疫学的方法を踏まえて,MRSAによる院内感染の発生要因を考察し,検査室側の院内感染対策について記述した.
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