連載 続・白衣のポケット・21
そんなこと言わないで
志水 夕里
pp.726
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901705
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日本において,緩和ケアとかホスピスの概念は,まだ十分に浸透していない。かく言う私も,かじり始めたばかりである。かじつているだけでも,これは広く理解されるだろうか,と思うことはよくある。例えば,ボランティアのあり方,スピリチュアルベイン,余命の告知,死ぬまでにどう生きるかの意思表明。日本の文化に根づいていないことは,患者もスタッフも「?」が浮かぶ事態になりやすい。この国に適したように,時間をかけて馴染めばよいし,必要のないことはカットしてもいいと思う。しかし,ホスピスの何たるかが理解されないために,患者が被害を被るのは困る。
「見舞う」とは何か。誰のために見舞うのか。本当に患者を勇気づけるためなのか。社交辞令の一環か,「見舞いに行った」という自己満足か。
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