特集 看護組織の人材マネジメントストラテジー
コンセプトは「シンセサイズ」という総合力―常に変化する組織の多様な人材を活用するために
松月 みどり
1
1日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター
pp.675-678
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901696
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はじめに
組織は生き物であり,絶えず動いており,昨日と同じ状態にとどまっていることはありません。例えば,新人看護師たちをチームに迎える4月は,1年のうちで総合的な看護実践能力が最も低下する時期です。8月頃には看護業務に次第に慣れ,少しずつ白信をもち実践できるようになっていき,チームの総合的実践能力は向上し,ピークを迎えようという3月末には人事異動や退職によって一気に低下します。毎年このような変化を繰り返しています。たとえ,看護師個々が高度な判断に基づく上質な看護が提供できるゆるぎないシステムができ上がっていて,満足のいく集団であったとしてもです。こんな体験は管理者なら誰もが経験しているのではないでしょうか。
しかし,そのようなときこそ管理者の本領発揮のチャンスなのです。一度に大人数の人事の交替というのは,じつは組織を再構築する絶好の機会であり,新しい組織再編のチャレンジができるときととらえることができます。
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