連載 続・白衣のポケット・14
「好き」
志水 夕里
pp.156
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901579
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日々,忙しく仕事をしていると,「好き」の感覚が鈍くなっていくように思う。どちらかといえば,「喜・楽」よりも「怒・哀」を感じるほうが多いのがこの仕事。
休日に好きなことをバンバンしていたのに,あまりに疲れることが多いと,気力もなく,ただ寝て過ごすようになる。寝ていられるなら,まだ幸せ。家庭をもつナースは,家事でさらに疲労するだろう。そんな折,昔の友人と,ダンスの舞台や芝居を観たり,古いCDやテープを聞いてハッとした。「私はこれが好きだったんじゃないか」。何が好きなのかさえ,忘れている自分に愕然としたのだ。
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