特別記事
教育から臨床へ 一人前の看護婦を育てる―札幌・琴似看護専門学校 勝又マリ子副学校長の教育
田中 幸子
1
1東京大学大学院医学系研究科
pp.134-139
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901574
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新人はいつになったら……
先日,看護学校時代の後輩から電話をもらった。悲壮な声で彼女は言う。「もう毎日がつらくて……。半年経ったけど,同じことを何度も注意されて,自分のだめさばかりが見えてきた」。彼女は3年制の短大を今年卒業して,出身地に戻り看護婦として働いている1年目の新人看護婦。いわゆる「プリセプティ」だ。今にも泣きそうな彼女の声を聞きながら思った。いったい,新人はいつになったら,あるいは何ができたら「一人前」になるのだろうか。
現在,看護婦になるための教育コースは,2年課程の進学コース,3年課程の専門学校,短大,大学などがあり,4年制大学の数はここ10年で9倍,89校と急激な伸びを見せている。看護教育は高等教育化の傾向にあるが,カリキュラムにおけるゆとりのなさは解消しているとは言い難いのが現状である。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.