特別記事
[対談]めざすケアの実現を叶えるために―医療制度改革に向けて看護職も政策提言を
鶴田 惠子
1
,
広井 良典
2
1東京医科歯科大学医学部附属病院看護部
2千葉大学法経学部総合政策学科
pp.780-785
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901526
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医療者不在の医療制度改革
鶴田 本日は医療政策に明るい広井先生との対談を楽しみに参りました。よろしくお願いします。
さて,今春の診療報酬マイナス改定にしてもそうですが,医療制度は,国民のあいだで議論がされないまま改革されてきているように思います。医療の高度化,患者さんの重症化等から,医療は人手がかかるようになっていますし,それに伴って費用がかかるのは自明であるにもかかわらず,国民の負担が増える,医療費がかかりすぎているから削減しよう,というようなことが言われると,現場で踏ん張っている私としては,あまり納得がいきません。私は看護部長ですから,看護師の仕事とか,患者さんの状態だけから物事を見てしまいがちですが,医療現場では常に最善が尽くされているわけで,いいケアをするためには,むしろもっとお金をかけてもいいぐらいだと思ってしまうのです。
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