特集 手術室から見える看護の専門性と認定制度へのつながり
手術室における看護の専門性
土蔵 愛子
1
1聖母女子短期大学看護科
pp.274-277
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901398
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はじめに
手術室では,全身麻酔をかけてしまうと患者の意識がなくなるので,看護婦は患者とのかかわりが少ないように考えられることがある。患者との濃密な関係の中で実践をする看護を想起すると,そこには看護がないような錯党を覚えることもある。ある時期,「手術室には看護婦はいらない」という言葉を耳にした。私自身も看護婦として約6年間の手術室勤務経験の中で,この言葉に翻弄された。なぜかといえば,自分の中で手術看護の専門性が不明確であったからではないかと考えられる。仮にこの言葉のように看護婦が不要なら,全国的に手術室の看護婦数は減少するか,減少傾向を示すはずである。しかし,その傾向があったとは聞かない。現在も,そしてこれからも手術室に看護婦は必要とされているし,看護婦がいるかぎり,そこで看護は行なわれているのだ。
では,手術室における看護の専門性とは,いったい何なのか。本稿では,これまでの論述や研究結果,親交のある手術室看護婦諸姉の意見,私自身の経験などから,主に病棟における看護と比較しながら,手術看護の専門性を述べたいと思う。なお,本論では看護士を含めた意味で看護婦という言葉を使用する。
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