特集 薬剤部と連携して事故を防止する
医療事故予防に向けた薬剤師活動
伊賀 立二
1
1東京大学医学部・附属病院薬剤部
pp.948-954
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901136
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はじめに
医療の高度化,複雑化の急速な進展は,医療現場にさまざまな問題をもたらしている。中でも,最近のマスコミの報道に象徴されるように,医療事故は極めて重大な社会問題となっている。患者本位の医療が叫ばれ,患者側の意識が高まったことは,患者にとって医療事故が極めて身近な問題となり,医療従事者においては日常の業務における,医療事故防止へ向けての本格的な取り組みを余儀なくさせた。
横浜市立大学病院における患者取り違え事故を契機に,国立大学医学部附属病院長会議常置委員会では,1999(平成11)年に医療事故防止へ向けて現状の把握,問題点の抽出,それらへの対応策を検討するために,「医療事故防止の策定に関する作業部会」を設置した。これまでに9回の会議が開かれ,すでに今年7月に"医療事故防止のための安全管理体制の確立について―「医療事故防止方策の策定に関する作業部会」中間報告"をまとめ,その後も引き続き最終報告へ向けての検討が進められている。
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