連載 災害看護―金田和子の救護人生から学ぶ・1【新連載】
私が金田の体験を伝えようとする理由
大和田 恭子
1
1日本赤十字社医療センター
pp.70-73
発行日 2000年1月10日
Published Date 2000/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901085
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はじめに
金田の左腕には,手から上腕にかけて広くケロイドがある。その理由を聞くと,彼女の人となりを知っている者は,みな一様に「あの人らしいね」というに違いない。
手袋すれば大丈夫だと思ったのよ。その少し前にね,外来で精神障害のある患者さんの採血をしていたのね。そうしたら,その人が採血の恐怖でパニックになって,私の手を引っかいたわけ。化膿してしまってね,しばらく使い物にならなかった。ちょっと治りかけたかなというときにあの事故でしょ? 傷を綿手袋で覆ってゴム手袋をしたけれど,やっぱり擦れちゃってだめだったわ。
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