書評
看護が引き出す回復力—レジリエンスで視点もアプローチも変わる
川嶋 みどり
1,2
1日本赤十字看護大学
2健和会臨床看護学研究所
pp.1132
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202043
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看護の視点から多面的にレジリエンスを捉えた書
人生の途上で誰もが出会う困難はさまざまであろうが,人は逆境に立った時どのようにして立ち直るのであろうか。わがこととして考えても,最終的には自分の力で乗り越えた感が強い。
本書は,この自ら立ち直る力を,看護の視点から個人,家族,地域,組織などにフォーカスを当て,その概念をそれぞれの局面にどのように活かせるかを述べている。文献や討論を通じて,レジリエンスを「その人がもつ力であり,逆境やストレスに対して環境と相互作用しながら,柔軟に対応するプロセスであり,その結果の状態をあらわすもの」と定義した上で,「病気は回復過程」であるとのナイチンゲールの言葉を連ね,看護の立場からのレジリエンスの考え方をいっそう深化させている。
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