この人と30分
—5年のアメリカ留学から帰って来た今井敬子さん—アメリカのいいところ悪いところ
所沢 綾子
1
1編集部
pp.62-63
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912092
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■とり入れたい,実力を重んずる気風
5年間のアメリカでの看護の勉強をおえて,この7月30日,今井敬子さんが帰国された。最初の2年間は病院付属の看護学校—ペンシルベニア病院看護学校—に,いわゆる高看学生として学び,卒業後は,働きながら,ペンシルペニア大学の大学院修士コースで《看護教育》を専攻した。今井さんは,1958年に東大衛生看護学科を卒業,4か月ほど東大分院の外科病棟に勤務していたがこれからの指導者になるためには,じっさいの看護の勉強をしなければならないのではないかと思い,自費でアメリカに留学を決意し,同年日本をたった。マスターコースにおける卒論は「1950年から1963年までにおける病院入院患者の事故の研究」である。日本にその事例は少ないがアメリカでは,院内感染その他,病院入院中の事故に対する患者の訴えや,損害賠償に関する訴訟事件が多いことから,このテーマに関心を抱いたという。
■実力主義とは
看護学校の先生,あるいは病院の婦長など,いわゆる指導的立揚にたつためには,「実際の仕事ができなければ……」ということが,アメリカ留学の今井さんのひとつの動機である。そこで,今井さんの動機となった気持が,はたしてみたされたかどうか,まずうかがってみたいところである。
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