特集 人を生かし自分を活かす 意思決定支援とACP 話し合いの手引き
領域別「意思決定支援とACP」実践例
糖尿病性腎症を持つ人とその家族への「透析の見合わせ」に関する意思決定支援
任 和子
1
,
横田 香世
2
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
2大阪青山大学健康科学部看護学科
pp.160-167
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201511
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非がん疾患では一般的に生命予後の予測が難しい。糖尿病性腎症では,第5期(透析療法期)に透析を中止せざるを得なくなった状況や,第4期(腎不全期)で透析を選択しない場合には,死が差し迫った状態となる。本稿では,透析の開始を見合わせた事例と,透析の継続を見合わせた事例を紹介し,「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」に基づきながら,糖尿病性腎症を持つ人とその家族の「透析の見合わせ」に関する意思決定支援を検討する。
意思決定支援のタイミングを逃さないためには,患者の病気・人生・生活の文脈を捉えて患者や家族の大事にしていることは何かを知ることが重要である。そのためには医師や看護師など医療者に患者と関わる十分な時間と学習が必要である。病いと共に生きる生活に疲れることのないように医療やセルフマネジメント支援の方法開発が求められる。
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