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ケアする人のケア—看護師・看護管理者の支援
岡山 ミサ子
1
1社会医療法人名古屋記念財団 ホスピーグループ腎透析事業部
pp.702-707
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201050
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人と人をつなぐ 心といのちのケア
私は看護師キャリア38年,長年死と隣り合わせに生きている透析患者と家族のケアをしてきた。現在は,透析関連病院および透析クリニック8施設を合わせた看護師300人の統括看護部長として,主に看護師の育成・マネジメント・相談業務をしている。その他にはボランティア活動として,あいち自殺防止センターを7年前に自ら立ち上げ,「生きるのがつらい」という人の電話相談をしており,これまで延べ1200人の悩みを聴いてきた。
なぜ私が,“ケアする人のケア”に関心を抱いたのか。それは10年ほど前にさかのぼる。透析クリニックで看護師たちが率直に語り合う,デスカンファレンスの場をつくった。看護師たちは泣きながら,無念さや後悔の気持ちを語った。私はその時,20年ほど前に自殺した患者を思い出した。自分が看護部長であるという立場も忘れて,そのときの気持ちを語り,看護師たちと一緒に嗚咽するほど泣いた。心にしまい込んでいた,ずっと語れずにいたことを語れた。聴いてもらうことで心がケアされ元気になった。そんな体験から,ケアする人をケアしたいと考えるようになった。
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