特集 がん患者への意思決定支援の質を高める 診断時から終末期までを支える組織的取り組み
【column:暮らしの保健室から】がん治療施設が点在する新宿区に「暮らしの保健室」が存在する意義—病院と在宅の狭間で取り残される患者・家族を支える
杉本 みぎわ
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1白十字訪問看護ステーション 暮らしの保健室
pp.165-167
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200125
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「暮らしの保健室は」2011年7月に,厚生労働省の在宅医療連携拠点事業モデル事業として東京都新宿区のマンモス団地「戸山ハイツ」の一角にオープンしました。母体となる株式会社ケアーズ白十字訪問看護ステーションの統括所長である秋山正子は,20年に及ぶ訪問看護の現場で,医療や介護の相談に応じる場が少なく重症化している患者や,がんのターミナルでさまよう患者さんとそのご家族をフォローしてきました。その経験の中で感じてきた「もっと気軽にいろいろな相談ができる窓口が必要」との思いと,イギリスにあるがん患者のための相談支援センター「マギーズセンター」に出会い,その患者支援のあり方に共感して抱いた「日本にもマギーズセンターをつくりたい」という思い,その2つを柱にして,「暮らしの保健室」はスタートしました。
4年目を迎えた現在,年間に訪れる見学者を含む来訪者は4000人を超え,相談件数も700件余り,その8割近くは医療の相談となっています。とりわけがんの相談については,新宿区のがん療養相談事業を受託しており,毎月がん療養相談のためだけに土曜日を1日解放して相談業務を行っていることもあり,毎月数件のがんの相談に応じています。
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