連載 看護事故の舞台裏・9
その気管孔は塞がないで!
長野 展久
1
1東京海上日動メディカルサービス医療本部
pp.904-907
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686103196
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【呼吸用のどの穴,看護師誤って塞ぎ患者窒息死】
X県立病院は12月4日,70歳代の男性入院患者ののどに開けられていた呼吸用の穴を,看護師が誤って塞ぐミスがあり,男性が窒息死したと発表した。看護師は男性が口や鼻でも呼吸できると誤認しており,主治医らとの間で情報共有ができていなかった可能性があるという。X県警が業務上過失致死容疑で調べている。病院では気管孔をガーゼで覆って異物混入を防いでいたが,ガーゼが外れがちだったため,20歳代の看護師が3日午後3時頃,代わりに通気性のない合成樹脂製の粘着シートを貼って穴を塞いだという。約1時間半後,巡回していたこの看護師が男性の呼吸が止まっているのに気づき,午後5時頃,死亡が確認された。(2011年12月4日読売新聞)
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