連載 職員の安心を支える病院デカ・17
はじめての病院勤務
福田 𠮷郎
1
1北海道大学病院 医療支援室
pp.399
発行日 2013年5月10日
Published Date 2013/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102768
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北海道大学病院の保安に関わるようになって5年が過ぎました。採用のきっかけは,当時クレーマー患者の対応に悩んでいた職員が,東京慈恵会医科大学の横内昭和光氏の活躍を知り,彼のような警察OBの雇用を懇願したのが理由だと,勤めた後に聞きました。病院からは,院内秩序維持への協力要請があった他は,活動について具体的な指示はありませんでした。しかし,体力には自信がありましたので,これまで同様に自分の職務を果たせばいいだろうと気楽な気持ちで引き受けました。
ところが,病院は警察官時代とは全く異なる環境でした。女性やお年寄りなど社会的な弱者が多く,外来には1日2500人もの患者が来院します。待合室での置き引き,見舞客を装っての金品窃取などの窃盗行為,恐喝まがいの暴言・暴力行為などが年間200件程度発生していました。院内各所に監視カメラは設置されていますが,夜間・救急玄関は,外部者も24時間出入りが可能で,セキュリティの面においてリスクの高い構造でした。
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