連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・82
北極は「生命」あふれるところ
柳田 邦男
pp.144-145
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102702
- 有料閲覧
- 文献概要
絵本作家のあべ弘士さんが大型ヨットで北極の海に動物たちとの出会いを求めて旅した収穫が,続々と楽しい絵本になって出版されている。以前はアフリカの野生動物の王国であるサバンナに出かけて,『ライオンのながい一日』などスケールの大きい傑作絵本を描いたが,今回は北極の氷山と海を棲み家とする動物たちを訪ねに出かけたのだ。
あべさんは,北海道旭川市の旭山動物園で長年にわたって飼育係をしていたから,北極に棲むシロクマ(ホッキョクグマ)やアザラシやセイウチなどについては園内で見慣れていたが,大自然の中でどのような生活をしているか,それをつぶさに観察したことはなかった。とりわけシロクマについては,大自然の中で親子がどのような行動をしているのかを自分の目で確かめたいという気持ちが強かったという。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.