連載 文部科学省「看護師の人材養成システムの確立」紹介!・8
名古屋大学―「私が命を救う!」Saving life ナース育成プラン
高橋 恵
1
,
三浦 昌子
1
,
山内 豊明
2
,
三笘 里香
2
,
植村 真美
1
1名古屋大学医学部附属病院 看護部
2名古屋大学医学部保健学科
pp.908-911
発行日 2011年9月10日
Published Date 2011/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102203
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本学の学部(看護基礎)教育においてはフィジカルアセスメント教育に時間を費やしていますが,臨床での継続した教育体制が整わないことから臨床ではフィジカルアセスメント能力を発揮されないという問題があります。プランの中核は,保健学科と看護部が連携して,卒後3年間で呼吸・循環に関する実践的なフィジカルアセスメント能力とクリティカル場面に的確に対応できる技術の修得プログラムを開発することです。このプログラムは,学部で教育効果が実証されているシミュレータ教育を臨床でさらに応用・発展させることを特徴とし,e-ラーニングやシミュレータによるセルフラーニングと臨床での実践トレーニングを繰り返し行なえます。さらに,このプログラムを支援するための優れた教育指導者となる人材を育成することを目的に,「Saving life ナース育成プログラム」のインストラクター養成コース・院内認定クリティカルケアコースを開設します。
保健学科と看護部は人事交流を行ない,互いの実態を理解して連携し,教育能力の向上を図ります。看護師が臨床で経験的に行なってきた看護実践は,理論や科学的根拠と関連づけられて形式知として説明・表現できる知識となるため,臨床看護師を学部の基礎教育へ派遣し,教育能力の向上を図ります。また,組織の看護実践力を底上げするために,個人の目標やライフスタイルに合わせたキャリアデザインを描くことができ,仕事を中断することなく継続できる支援体制を整えます。
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