増刊号特集1 東日本大震災への医療支援の記録
日本赤十字社の取り組みと被災地からの報告
震災前の6倍の患者が集中する石巻赤十字病院でER支援活動
金子 健一
1
1深谷赤十字病院
pp.669-671
発行日 2011年7月26日
Published Date 2011/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102132
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はじめに
発災から3週間以上経ち,亜急性期に入ってもなお,地域内唯一の基幹病院である石巻赤十字病院(以下,石巻日赤)には,震災前と比較して約6倍もの患者が集中して,救急車の受け入れ台数も平時の約5倍という状況が続いていた。このような状況を受け,全国の日本赤十字社医療施設からERスタッフが参集され,支援活動が展開された。
現地は,ライフラインも復旧しており,一般外来での診察も再開していた。復興への歩みも感じられていたが,4月7日に発生した震災後の最大余震により,再びライフラインが障害され,院内の体制も災害対応へ変更する場面もあった。度重なる問題のなか,筆者は現地スタッフとともにER支援メンバーとして活動を行なってきた。当時の活動状況について振り返り報告する(表1)。
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