特集 看護現場に経営学的視点を
職員育成・モチベーションアップと,コスト削減を同時達成するには―医療コンサルタントによる成功のポイント
伊藤 雅教
1
,
安西 文雄
1
1株式会社サイプレス
pp.203-207
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101694
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経営とリンクした「接遇」とは
医療における経営とは,基本的に人を育ててその人たちが自分で考えて工夫していく組織をつくれるかどうかにかかっています。それは,医療はほとんど人が行なうサービスだからです。一般企業でも同じことがいえます。平均在院日数が短くなってくると,忙しくて職員が疲弊し,患者さんも忙しくて疲れている看護師に声をかけられないということになり,患者満足度も当然落ちていきます。
ただ,忙しいなかでもほっと一息つけるようなサービスの提供の仕方はあると思います。例えば,機転を利かせた会話をする,つまりコミュニケーションをいかにとるかというのがポイントです。患者満足度のアンケートでは,医師・看護師には「医療の質だけは高くしてくれないと困る」という要望が出てきます。治療の説明で,どんな選択肢があって,今はどのレベルかといったことを医師や看護師が伝えるだけでも,患者満足度は上がるということです。つまり,どんなに忙しくしていても効果的な表現方法で,治療に関する情報を伝えることが大事なのです。
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