連載 カズのカンボジア日記・13
お金が第一
崎間 和美
1
1アンコール小見病院
pp.882-883
発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906061
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●木がない!
あれっ,なんか変だぞ?いつもの通勤路がどこかいつもと違う.やけに広々と….あっ,木がなくなっているんだ!樹齢100年はあるだろうという大きな悠然とした木が5〜6本も切られて道にゴロゴロとしている.彼らが聳え立っていた場所には,その木陰を利用してたくさんの屋台が並んでいました.木が切られたあとも屋台はありますが,木陰独特のさらさらとした心地のよさはなくなり,屋台の魅力も半減です.仕事の合間にちょっとサボってあの木の下でさとうきびジュースを飲んだり,揚げバナナを食べたりするのはなんともリラックスできるひと時だったのです.もうその木陰がないと思うとなんともがっかり.
どうして切ってしまったのでしょう?木の存在は屋台の主人たちにとっても客にとっても憩いの根源となっていたはず.木が何かを邪魔しているとは思えないし.するとある人が「お金が関与しているかもね」と教えてくれました.政府の職員と個人業者の不正癒着らしいのですが,ことの真偽はわからないものの,カンボジアではこういった政府の腐敗をはじめ,“お金のためなら何でもします”というようなことがよくあります.おばさんの私は“えーっ,うっそー!!”と目を丸くしてしまうような….
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