増刊号特集 行動する看護師長 これからの臨床看護マネジメントの実践
―質を改善する―改善の結果が数字になって表われることにワクワクする!
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部付属病院看護部
pp.630-636
発行日 2009年7月26日
Published Date 2009/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101526
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はじめに
Pay for Performance(P4P)とよばれる,医療の質に基づく支払い方式(高品質で効率のよい医療を提供するために,診療アウトカムに応じて診療報酬に差をつけていこうという方式)について,目にする機会が多くなってきた。2008(平成20)年度診療報酬改定で,回復期リハビリテーション病棟に対する質の評価と褥瘡患者管理加算が導入されたことは,周知のことであろう。
回復期リハビリテーション病棟の質評価では,看護必要度を応用した「日常生活機能評価」に基づく重症患者が3点以上改善していれば加算を行なうというものであり,まさにP4Pである。一方,褥瘡患者管理加算は,褥瘡を継続的に評価して記録をしていることが条件で,褥瘡の改善ではなく,記録し報告することによって診療報酬を得ることができるというPay for Reporting(P4R)である。
このように,質改善の数値目標を設定し,具体的な改善ができることが求められる時代がやってくる,というより,すでにやってきているのである。そして,看護の質指標を設定し,改善していくために欠かすことのできないツールがHospital Information System(HIS)である。診療に必要なシステムはもちろん,看護支援に必要なシステムを駆使しマネジメントすることが求められているといえよう。
杏林大学医学部付属病院(以下,当院)看護部では,臨床看護データ,看護部人的資源データ,ケア改善データなどのデータファイルがある。このデータファイルとその項目を,どのような目的で活用しているのかを紹介したい。
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