研究報告
人工呼吸器に関連するインシデント・アクシデント事例の分析―佐賀大学医学部附属病院における事例から
大塚 和良
1
,
内田 順子
1
,
毎熊 恵子
2
,
中島 幹夫
1
1佐賀大学医学部附属病院集中治療部
2佐賀大学医学部附属病院安全管理対策室
pp.270-275
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101444
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人工呼吸は生命維持に直結するため,その管理は患者安全対策上非常に重要である。そこで今回,当院における人工呼吸管理に関するインシデント・アクシデント事例42件を分析した。そのうち,気管チューブに発生したものが23件,呼吸回路,加温・加湿器に発生したものが15件,人工呼吸器に発生したものが4件であった。なかでも予定外抜管は42件中22件(52%)と最も多く,予定外抜管防止に向けた院内全体での対策が重要と考えられた。また,呼吸回路の吸気・呼気を逆に接続したまま患者に使用した事例が8件,集中治療部からのみ報告されており,正しい使用法とその確認を行なうために,臨床工学技士の人工呼吸管理への関与や経験の浅い看護師への教育が重要だと考えられた。
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