主張
病院管理者の資質
B
pp.17
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900539
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わが国では病院の管理者は医師でなければならない(医療法第10条)とし,管理者の監督義務(同法第15条)を規定し,医療法施行規則で,「管理者の遵守すべき事項」や「管理者の注意義務」「管理者の改善要求義務」を定めている.これらは医療法全般がそうであるように,病院の構造設備や病室への患者収容,医薬品及び用具に関することなど,主にハード面での管理を要求していて,そこには管理者としての持つべき能力(知識・技術・態度)や資質については何も述べていない.
要は医師であれば誰もが管理者になれるというのである.だとすれば,医師たるものなべて管理能力が付与されているというのであろうか.病院管理者の資質とは果たしてどういうものだろうか.資質というからには天性のものか.いやそうではない.資質は作られるもの,教育されて備わるもの.では医学教育で管理者の能力が授けられているか.はたまた医師としての経験の中で自然に資質が身につくのだろうか.これらは否定的である.
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