連載 スクラブナース4年生・42
ベーシック・ライフ・サポート
鈴木 美穂
pp.1031
発行日 2008年11月10日
Published Date 2008/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101354
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先日,久しぶりの帰国中,自動体外式除細動器(以下,AED)の設置箇所が増えているのに気づいた。AEDの使用を啓発するポスターもあちこちに見られ,日本でも非医療従事者によるAED使用を含む一次救命処置(ベーシック・ライフ・サポート:以下,BLS)が広がりつつあるのだなと何となく感じ入っていた。
そんな帰省中のある夜,家でテレビのニュースを見ていると,スポーツ中の事故の対処法というリポートをやっていた。そのタイトルから,骨折や捻挫,擦過傷などのいわゆるスポーツ中に起こりやすいケガへの初期対応に関するリポートであろうと予想していたのだが,実のところは運動中に心肺停止状態に陥った人がいたらどう行動すべきかという内容で,つまりはバイ・スタンダー(現場に居合わせた者)によるBLSの定期的な訓練・受講を促すものだった。最近ではスポーツ中の事故というと突然の心肺停止のことなのかと認識を新たにすると同時に,AEDの設置の増加に喜んだのも束の間,実際にはあまり使われていないのかと少々がっかりした。
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