特集 2008年度診療報酬改定は現場にどのような影響をもたらすか―これからの医療のあり方を見据えて
2008年度診療報酬改定の概説と課題
髙島 尚子
1
1日本看護協会政策企画部
pp.452-467
発行日 2008年6月10日
Published Date 2008/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101216
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はじめに
2008(平成20)年2月13日,中央社会保険医療協議会(以下,中医協)において,2008年度診療報酬改定に関する答申書が厚生労働大臣へ提出された。社会保障費が2200億円削減されるなか,診療報酬の改定率は本体+0.38%と8年ぶりの引き上げとなったものの,プラス改定の財源は1100億円弱と限られており,依然として厳しい財源状況に変わりなかった。特に,緊急課題として挙げられた産科・小児科をはじめとする病院勤務医の負担軽減策に必要な財源をどの部分から捻出するか,最後までぎりぎりの調整が続いた。
このなかで看護については,医療機能の分化および在宅医療の推進など医療制度改革の方向性に沿って,2006(平成18)年度改定において創設された7対1入院基本料の基準の見直しと看護必要度の導入や,後期高齢者医療制度の創設に伴う訪問看護の拡充評価など,一定の見直しと評価が行なわれた。本稿では,特に看護関連の改定内容にポイントを絞り,概略を解説する。
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