連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・32
何かが癒されるこころよさ―『としょかんライオン』『まあ,なんてこと!』
柳田 邦男
pp.246-247
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101165
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楽しい絵本はたくさんあるけれど,ただ面白いというだけでなく,“愉快になる絵本”となると,そう多くはないように思う。
愉快の「愉」は,漢字学の大学者,白川静氏の『常用字解』(平凡社)によると,象形文字の大本の意味が解かれていて,病気や傷が治るあるいは癒えることを意味する「兪」に,心を示す「忄」がついて,「病気や傷がなおって心安らぐこと」の意となり,それが一般化されて,「たのしむ,よろこぶ,やすらぐ」という意味で使われるようになったという。
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