特集 看護のプロフェッショナルとその育成
プロフェッショナルが育ち合う実践共同体づくり―認識と行動の一貫性
陣田 泰子
1
1聖マリアンナ医科大学病院
pp.8-14
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101107
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一気に高速回転状況に突入した医療現場の様変わりは激しい。護送船団で保護されていた医療界は,荒海に投げ出された。泳ぐ方法を知っているところだけが波間から生き残り,あとは「おぼれて結構!」という国のメッセージが顕になってきた。
そもそも,看護は特異な集団である。もっと楽をしてお金が手に入る職業が数あるなかで,わざわざ「大変でも,病気の人の近くで何とか役に立ちたい」という人間が集まっているのである。
この「近くで……」が鍵である。医療に関連した職業はこれもまた多数あるなかで,ベッドサイドで,患者の最も身近にいられる仕事がしたい,というこの特性をしっかり認識しなければ,どれだけお金を積んでも,環境を整えても,ナースは満足しない。ナースの満足の中核は「目の前の患者の苦痛の軽減」であり,「回復に向けた良質な看護の提供(関わり)」である。そして,その結果「患者(家族)が,どれだけ変化し,満足したか」を実感することである。
本稿では,こうした看護現場の特徴を踏まえた「育ち合う実践共同体づくり」を中心に述べ,「看護のプロフェッショナル育成」について考えてみたい。
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