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コラーゲンとハイドロコロイドによる褥瘡治癒効果の比較―無作為化比較試験
仲上 豪二朗
1
,
菅田 勝也
2
1東京大学大学院医学系研究科修士課程・老年看護管理学分野
2東京大学大学院医学系研究科修士課程・看護管理学分野
pp.866-867
発行日 2004年10月10日
Published Date 2004/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100557
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- 文献概要
褥瘡は疼痛,骨髄炎,敗血症,死亡と関連しているため,高齢者にとって深刻な問題である。ナーシングホームにおける褥瘡の有病率は24%にのぼり,米国において褥瘡にかかる年間のコストは13億ドルを超えている。
全層あるいは部分欠損の褥瘡の標準治療は,湿潤環境を保つドレッシング材の貼付である。ハイドロコロイドは湿潤環境を保ち,水蒸気を透過させる閉鎖ドレッシング材で,肉芽増生と再上皮化を促進するとされているが,創面に固着することによって治癒を阻害するという研究もある。また,深い褥瘡に対しては,浅い褥瘡ほどの効果が出ないという研究もあり,褥瘡管理におけるハイドロコロイドの役割に関しては未だ意見が分かれている。
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