金丸弘美のシネマライフ
ヒトラー 最期の12日間
金丸 弘美
1,2
1ライターズ・ネットワーク
2ニッポン東京スローフード協会
pp.691
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100228
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- 文献概要
人間という存在の怖ろしさ
ベルリン陥落間近の地下要塞でヒトラーが自殺するまでの12日間を,実在するヒトラーの秘書,トラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ララ)の視点から描く。作品の最初と最後には,戦後生きのびたユンゲ本人のインタビューの一部も挿入されている。
ヒトラーを主役に据えるという,ドイツではタブーともいえるテーマを堂々と描くために,セットや衣装にそうとうの配慮がされ,ベルリンの町並み,砲火で崩れゆく建物,戦禍にまきこまれ混乱する人々など,隅々までしっかりとていねいに表現されている。それによって,地下要塞の中のヒトラーと,その側近であるゲーリング,ゲッベルス,ヒムラーらの狂気がじわりと浮かびあがってくる。
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