連載 個人情報保護法と医療・4
患者の家族への病状説明
畑中 綾子
1
1社会技術研究システム
pp.666-667
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100219
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医療現場における患者の家族の役割
患者の家族は,患者とともに病状の説明を受けたり,手術後の容態を説明されたりなど,一当事者として医療に参加しています。がん告知などでは,まず患者の家族に対して説明を行ない,本人に告知すべきかどうかを決めてもらうということもあるようです。患者の家族は,患者の肉体的・精神的サポーターとして,大きな役割を果たしています。
一方で家族は,医師・患者間の医療提供の関係では,第三者にあたります。個人情報保護法では,第三者に対する情報提供について,原則,本人の同意を要求しています。しかし,一般的な取引であればともかく,医療現場では,付き添いの家族に状況を説明することは通常行なわれることですし,また,幼児や痴呆症の高齢者,意識不明の患者など,本人の同意をとることが困難な状況もあります。そこで個人情報保護法のもとで,家族への病状説明をどのように行なっていけばよいのかが問題となります。
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