焦点 看護学における先端科学の推進—看護学のCOE形成に向けて
[鼎談]看護学における先端科学とは—看護学のCOE(Center of Excellence)形成に向けて
早川 和生
1
,
筒井 真優美
2
,
羽山 由美子
3
1大阪大学医学部保健学科
2日本赤十字看護大学
3聖路加看護大学
pp.3-13
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900538
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早川 本日は,看護学研究者として大活躍中のお2人にご一緒いただいてとても光栄に思います。看護大学が増加している中で,これに伴い大学院も増えています。非常にわずかの間に看護研究者の層が厚くなったということは事実で,これは看護研究がアクティベイトしている要因の一つになっています。看護の学会も増え,テーマ的にも非常にバラエティに富んだ研究がされるようになってきたと思います。
そこで今後は,日本のナースが非常によい研究をしていると国際的に評価され,日本の看護研究が世界的に貢献していくためにも,オリジナリティの高い研究が日本の看護学領域からもどんどん発信できたらと願いますし,それは皆が思っていることだと思います。ただ,それを思っているだけでなく,それを実現するための戦略というものを考える必要があるのではないかと思います。その一つの種として国策レベルで盛んに提言されているCOE(センター・オブ・エクセレンス:卓越した研究拠点)の形成が考えられ,看護界でも積極的に採り入れていくことが大切と思います。もちろんすぐには難しいとは思いますけれども,それに似たようなかたちの戦略として,ミシガン大学看護学部長のHinshaw先生が昨年(1999年)7月来日された際に日本看護研究学会の特別講演でおっしゃったように,各大学が独自の特色を出して,ある領域についてはスタッフの数や研究費を多く配分するという方法があります。
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