焦点 医療における女性の意思決定
報告
告知場面にみる医療者の性別役割分業観—父親はそれほど強いのか?
玉井 真理子
1
,
加部 一彦
2
1日本体育大学女子短期大学保育科
2愛育病院新生児科
pp.43-47
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900288
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
多くの親になろうとする人にとって,「障害をもった子どもの出生」は,予期せぬ出来事である。そのときまでに実際に体験してきたことや,あるいは見聞きすることで間接的に経験してきたこと,それらを通して得られた知識や感性で対処可能な範囲を,「障害をもった子どもの出生」という緊急事態は,たいていの場合いともたやすく越えてしまう。
しかし,まもなく,「いともたやすく」とは言い難いが,ほとんどの親はその「障害をもった子どもの出生」という危機を乗り越え,障害児の家族として前向きになっていく。その過程は,しばしば親としての「障害受容」と呼ばれるが,告知は「障害受容」の起点として位置づけられるものである。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.