特集 看護教育における教育方法 Clinical Judgementはどのように育てられるか
第6章
シンポジウム
Ⅲ.臨床で看護婦として働き始めての1年半を振り返って
藤田 朗子
1
1聖路加国際病院
pp.432-434
発行日 1990年9月15日
Published Date 1990/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900269
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はじめに
大学に入ったばかりの「看護総論」の授業のことであったと思います。“看護の機能は何ですか”という問いが私たち学生に投げかけられました。その瞬間,いろいろなことが私自身の頭に浮かびました。あまりにいろいろなことが浮かびすぎて言葉にできず,答えるよう指名された時“わかりません”と答えていました。確かその授業の流れでは「日常生活の援助」がその答であったと覚えています。心の中で何かしっくりこないものを感じ,“そんなことをやりに私はここに来たんではないのに”とつぶやいていました。日常生活の援助を,誰にでもできること,つまらないこととして感じ,そう表現したのだと思います。最初は“そんなこと”と思った日常生活の援助,臨床実習,そしてさまざまな人々との出会いを通して,その奥行きの深さを知りました。そして今現在もそれに取り組んでいるのかもしれません。
クリニカル・ジャッジメント,この大きなテーマのもとに,自分自身の看護を振り返る機会を得ました。まず記憶に新しい就職してから今までのことを少し思い起こしてみたいと思います。
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