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特集 国際シンポジウム「家族看護学研究の動向:患者と家族のQOLの向上と看護の充実をめざして」
第II部 成人・老人看護における家族看護学研究の動向
基調講演・1:成人・老人ケアにおける家族看護学研究
Family Nursing Research in Adult and Gerontological Care
Ann L. Whall
1
1米国ミシガン大学大学老人病研究センター
pp.139-148
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900188
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はじめに
デカルトのような西洋の哲学者は,中世の時代から科学の本質に関心がありました。この関心は,のちに科学の哲学という専門分野において表現されました。西洋の看護学も,中世から存在してはいましたが,科学の哲学を用いてその本質と特色に注目するようになったのは,20世紀半ばになってからのことでした。科学としての看護学を定義づけた主な理由は,大学,ことに大学院への進出を考えてのことでした。
大学院への進出のためには,看護学が他の専門分野といかに似ているか,また,どの点が違っているか,また,われわれの行なう研究がいかに他のものと類似点があり,また相違点があるか,また,その理論や他の産物がどのように分類されるか,ということを定義する必要がありました。看護学の本質を定義づけ,他の専門分野とどういった類似点があり,また相違点があるかを明らかにしない限りは,高等レベルの教育機関に参入するという権利はないと考えたからです。したがって,看護における高等教育,ことに博士課程においては,看護学がその記述をしていくのは素晴らしい起動力となります。
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