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特集 AWGC2023基準の悪液質とリハビリテーション医療
Asian Working Group for Cachexiaによる悪液質
Cachexia by the Asian Working Group for Cachexia
吉村 芳弘
1
Yoshihiro Yoshimura
1
1熊本リハビリテーション病院サルコペニア・低栄養研究センター
キーワード:
AWGC
,
悪液質
,
診断基準
,
アウトカム
,
集学的治療
Keyword:
AWGC
,
悪液質
,
診断基準
,
アウトカム
,
集学的治療
pp.1382-1387
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033141382
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内容のポイント Q&A
Q1 AWGC2023基準の悪液質の診断とは?
AWGC2023基準の悪液質の診断は,慢性疾患の存在を前提とし,3~6カ月間で2%以上の体重減少またはBMI 21 kg/m2未満を必須条件とする.さらに,食欲不振,握力低下(男性28 kg未満,女性18 kg未満),CRP 0.5 mg/dl超のいずれか1項目以上を満たす場合に診断される.この基準は,アジア人の体格を考慮し,臨床現場での使いやすさを重視して策定された.
Q2 AWGC2023基準の悪液質のアウトカムとは?
AWGC2023基準の悪液質のアウトカムは,死亡率,生活の質(QOL),機能の3つが重要とされる.QOLはEQ-5DやFAACT等の尺度で,機能はClinical Frailty ScaleやBarthel Index等で評価する.特に患者報告によるQOLの評価が重視され,個別化治療やケアにつながる重要な指標とされている.これらのアウトカム評価は,患者の背景や臨床状況に応じて選択することが推奨されている.
Q3 悪液質の集学的治療とは?
AWGC2023基準では悪液質の集学的治療について具体的な言及はないが,一般的に栄養療法,運動療法,薬物療法を組み合わせたアプローチが重要とされる.栄養療法では適切なエネルギーとたんぱく質の摂取,運動療法では低強度のレジスタンストレーニングや有酸素運動,薬物療法では食欲増進薬や抗炎症薬の使用が考えられる.患者の状態や悪液質の進行度に応じて,これらの治療法を適切に組み合わせることが推奨される.
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