焦点 人間-環境系の看護研究・1
綜説
Environmental Health Nursing(環境看護学)研究の新展開
早川 和生
1
1近畿大学医学部公衆衛生学教室
pp.398-406
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900039
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はじめに
近年,欧米の看護学専門雑誌において環境問題を取り扱う論文が急速に目立つようになった。1986年にはICN(International Council ofNurses)も人間環境の保全に関する看護職の役割と責任に関する声明1)を出している。イギリスのRCN(Royal College of Nursing)では1990年の総会において環境破壊と健康の問題が論議され2)病院から出される廃棄物や廃液による環境破壊を最小限に押さえるための監視組織の設立に看護職が乗り出すことが議決された。カナダ看護協会(Canadian Nurses Association)でも“看護婦と環境問題”が重要な議題になっている3)。
我が国においては,一般向けのマスコミ等で「地球環境を守ろう」とか[環境に優しい」と言った言葉がよく見受けられ,一般社会の環境に対する関心は高いものの,看護学領域では未だ環境問題が看護学の問題として十分把握されていないように思われる。
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