焦点 病院内外の環境をめぐる研究
研究
病室や病棟環境に対する患者の認知—環境認知と精神状態および日常生活行動との関係
服部 朝子
1
1兵庫県保健環境部医務課(県立看護大学開設準備室)
pp.117-136
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900014
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はじめに
「病院がそなえているべき第一の必要条件は,病院は病人に害を与えないことである1)」
これはF. Nightingaleが『病院覚え書』の冒頭に記している言葉である。この中でNightingaleは,現在ある病院の衛生状態についての一般的考察,病院内で手当てを受けている内科ならびに外科の患者の経過に影響を及ぼすような病院の建築上の欠陥についての記述,新しく病院を建てるにあたって守られるべき病院構造の原則,病院および回復期施設の改善計画などをとりあげ,いずれも詳細かつ具体的に述べている。おそらくNightingaleは,病院の環境が,病気を癒し健康を回復しようとする病人に影響を及ぼすことを指摘した最初の人であろう。
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