特別記事
兵庫県立大学先端医療工学研究所の活動—病院診療×医療工学×看護学で研究の発展をめざす
本田 順子
1,2
,
築田 誠
2,3
,
坂下 玲子
2,3,4
1兵庫県立大学地域ケア開発研究所
2兵庫県立大学先端医療工学研究所
3兵庫県立大学看護学部
4兵庫県立大学
pp.564-568
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202266
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はじめに
兵庫県立大学先端医療工学研究所(Advanced Medical Engineering Research Institute: AMERI)註は,2022年4月に新たな医療機器の研究開発や技術革新などをめざす研究所として,兵庫県姫路市の兵庫県立はりま姫路総合医療センター(愛称「はり姫」)教育研修棟に開設された(図1)。先端医療工学研究所と「はり姫」が同じ敷地内にあり,渡り廊下ひとつで行き来できる近さで病院診療と研究が行われている。県立病院という医療機関と直結の利点と,兵庫県立大学の有する自然・人文・社会科学の知の蓄積を活用し,デジタルヘルスなどの画期的な医療ヘルスケア機器,プレシジョン栄養学,看護介護工学に取り組んでいる。このような研究所は国内では非常に珍しく,病院診療×医療工学×看護学の研究のトップランナーをめざしている。その他,兵庫県立大学の各研究科の大学院生が履修できる共通科目を設定し,所属する研究科が単位認定できる制度(オープン大学院)を導入,地域の医療関係者のリカレント教育を推進するなど,人材育成にも積極的に取り組んでいる。例えば,筆者ら看護教員が医療工学の研究をしている大学院生の副指導に入ったり,看護学研究科の大学院生の指導に工学や情報の教員が参画できたりする体制である。
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