特集 経験の言語化の可能性—現象学的研究のインタビューを中心に考える
扉
『看護研究』編集室
pp.515
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202259
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現象学的研究のインタビューでは何が行われており,何が明らかになるのか—昨年,『医療とケアの現象学—当事者の経験に迫る質的研究アプローチ』(榊原,西村編,2023)という1冊の書籍が出版されました。この書籍をめぐり,臨床実践の現象学会(https://www.clinical-phenomenology.jp)の研究会において,家髙洋氏(東北医科薬科大学)が,インタビュー等についての経験の言語化に関する報告を行いました。本特集は,このときの報告とディスカッションが契機となっています。
特集では,経験の言語化に関する家髙氏の論考を筆頭に,上記書籍の編者である榊原哲也氏(東京女子大学)が『医療とケアの現象学』にて用いられている方法論について解説し,同じく編者の西村ユミ氏(東京都立大学)は,『医療とケアの現象学』に収められている4つのインタビューについて再分析を行っています。そして,著者の1人である村上靖彦氏(大阪大学)は,これまで自身で行ってきたインタビュー分析について紹介した上で,現象学的研究のもつ倫理的な事態について論じています。そして最後に家髙氏は,現象学的研究における「意味」に焦点を当て,現象学的研究が経験を独自の仕方で解明する重要な鍵としています。
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