連載 看護実践モデルの構築・評価・改善—その方法とプロセス・6
障害のある子どもの家族がもつ「生活と存在のまもり」を支援するための実践モデルの構築
川上 あずさ
1
1奈良県立医科大学医学部看護学科
pp.312-318
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202213
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はじめに
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)児は,少子化のなか増加傾向にある。筆者は,ASD児がもつ世界に興味をもちながらも,看護職として,共に生活するきょうだい,家族支援の重要性を認識し研究を続けてきた。本稿では,完成とは言い難いが,質的研究を重ねて実践モデルの構築を進めてきたプロセスを述べていく。
まず研究1として,ASD児のきょうだいの生活構築に,現象「生活と存在のまもり」が存在することを導き出した。次に研究2は2つの研究で構成し,研究2-1では「まもり」の特性を明らかにした。研究2-2では,「まもり」の現象から作成した説明モデルをもとに,支援方法の構築を試みた。そして研究3では,きょうだいと共に生活している母親へ対象を拡大し,概念の検証を進めた。そしてこれらを統合し,ASD児家族のもつ「生活と存在のまもり」支援のための実践モデルを構築した。
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