特集 理論をつくる・つかう・つたえる—実践にいきる理論構築に向けて
セッションB「つかう」—2.理論に基づいて看護実践・看護研究を行う
【解説】看護理論に基づく看護実践・看護研究
本田 順子
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.32-33
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201954
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本稿では,既存の理論を看護実践や看護研究に「つかう」ことについて解説し,具体例を紹介する。理論ということばを聞くと,難しい! わからない! 聞きたくない! とアレルギーのような感覚をもつ方も少なくない。しかし,せっかく先人らが知性と労力を注いで構築してきた理論というツールを使わない手はないのである。
理論は,手書きの地図,道標のようなものであると筆者は考えている。実践のための処方箋,手順といわれたりもする(野川編著,2016)。私たちがゴールをめざす場合,何らかの方向性を示してくれる地図があったほうが,ゴールに近づくはずである。ただし理論は手書きの地図なので,スマートフォンの地図アプリのように,自分の位置をGPSで正確に示し,航空写真から得られたような正しい道のりを示すというような厳密さはないかもしれない。だからこそ,理論を洗練していく過程もまた必要なのである。
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