特集 理論をつくる・つかう・つたえる—実践にいきる理論構築に向けて
セッションB「つかう」—2.理論に基づいて看護実践・看護研究を行う
【事例(看護実践)】家族看護エンパワーメントモデルを用いた看護実践—医療的ケアを必要とする幼児の在宅移行支援についての考察
細田 三奈
1
1訪問看護ステーションしぇあーど
pp.34-38
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201955
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◆背景
小児医療の進歩により,重篤な疾患を持つ子どもの救命も実現するようになった。そのため医療的ケアを必要とする子どもの数が直近10年で約2倍に増え,約2万人となっている(中村,2020)。近年の医療技術の進歩や在宅医療の推進に伴い,医療的ケアを必要とする子どもの在宅療養への移行が進んでいる一方で,医療依存度の高い子どもは,入院が長期化し,在宅療養への移行が困難なケースが多い。その背景には,病状が不安定なこと,退院後の生活を支援する医療や福祉サービスが脆弱なこと,転院を受け入れる医療機関がないこと,医療的ケアが高度かつ複雑で家族の不安や負担が強いことが挙げられている(楠田,2010;鈴木,2011;前田,2015)。
今回,医療的ケアを必要とする幼児とその家族に対して,家族看護エンパワーメントモデルを用いて看護計画を立案し介入した結果,家族が自宅退院に向けて主体的に行動を起こすことができた。その事例について報告し,医療的ケアを必要とする幼児の在宅移行支援について検討する。
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