特集 看護研究における報告ガイドライン2
看護研究で念頭に置いておきたい報告ガイドライン30
Best practices in the reporting of participatory action research: Embracing both the forest and the trees—参加型アクションリサーチ(Participatory Action Research:PAR)の報告におけるベストプラクティス:個々と全体の両方を包含する
佐々木 吉子
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.110-111
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201733
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概要
アクションリサーチとは,社会的な諸問題に対して,現実の問題を解決することをめざした実践と研究を行なっていくものである(中村,2008)。参加型アクションリサーチ〔Participatory Action Research(以下,PAR)〕は,少数民族や服役中の受刑者など,社会から抑圧されている人びとが直面している問題について,当事者らが所属するコミュニティを対象に,学界の人間と現場の人間とが現場で共同実践して,対象者への援助や調査を行なうものである。しかし,研究者とコミュニティの共同研究者のそれぞれの立ち位置や関係性,アクションリサーチの展開方法,報告様式は一様でない。「Guidelines for Best Practices in the Reporting of Participatory Action Research」は,カウンセリング心理学領域の専門家であるSmithらが,その必要性にかられ,2年を費やして,PsycINFO(アメリカ心理学会の文献データベース)に公開された221編の論文のレビューを通して編集した,PARの報告のベストプラクティスの提案である(Smith, Rosenzweig, & Schmidt, 2010)。
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