焦点 Community-Based Participatory Research─患者・家族・市民とともに創る研究
―基調講演・1―CBPRとは何か?―Community-Based Participatory Researchの定義・方法・アウトカム
Noel J. Chrisman
1
,
麻原 きよみ
2
,
鈴木 久美
3
1School of Nursing, University of Washington
2聖路加看護大学
3聖路加看護大学看護実践開発研究センター
pp.83-90
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100055
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なぜコミュニティに働きかけねばならないか
Community-Based Participatory Research(以下,CBPRとする)は研究に変革をもたらす手段の1つであり,私はこれをとてもよいものだと考えています。だから,今日のセミナーが終わった時には「CBPR」という言葉が普通に口を衝いて出てくるようになってほしいと思っています。最初に理論的なところから,CBPRについて説明します。
ずいぶん昔のことですが,私は「なぜ集団を相手にしなければいけないのか」と思ったことがあります。個々の患者だけをみていればよいではないかと思っていたのです。しかし,病気になった個人を相手にするよりは,病気になる前の人たちを相手にして,その人たちが病気にならないようにするほうが,たくさんの人々を同時に救うという意味で効果的だと気がつきました。これには,非常に重要なことが2つあります。
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