特集 研究の意味─多領域との対話から
ケアの実践のための研究はなぜ容易でないのか?
島薗 進
1,2
1上智大学大学院実践宗教学研究科
2上智大学グリーフケア研究所
pp.547-551
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201314
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グリーフケア研究所の研究教育
筆者は現在,上智大学グリーフケア研究所,および同大学院実践宗教学研究科修士課程で教鞭をとっている。ケアの実践に携わっている人々,また,ケアの実践に関わりたいという志をもった人々のための教育や研究指導が主たる職務だ。大学院は2016年度に開設されたばかりなので,ここでは主に,グリーフケア研究所の人材養成講座について述べていこう。
グリーフケア研究所は2009年4月に聖トマス大学に設置され,公開講座と人材養成講座を行なってきている。聖トマス大学が廃校されることになり,2010年からは上智大学大阪サテライトキャンパスに移管され,2013年には東京のオフィスが開設された。そして,2014年からは大阪とともに,新たに東京でも人材養成講座が行なわれている。現在は2年間のコースで,各学年,東京で約60人,大阪で約36人が受講している。受講生は平均年齢で40歳代の半ばぐらいで,看護師が30パーセント以上を占める。他に,ソーシャルワーカー,臨床心理士,産業カウンセラー,音楽療法士等のケア関係の職種の人,医師,教員,僧侶等の宗教者,葬祭業関係の人,主婦などさまざまである。
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