連載 Journal Watch 海外の看護学研究から学ぶ・2
非薬物療法の効果を示すために
廣岡 佳代
1
1東京医科歯科大学大学院看護システムマネジメント学博士後期課程
pp.203-205
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201086
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はじめに
今回のJournal Watchでは,International Journal of Nursing Studies(IJNS)誌の第52巻2号の論文が対象になりました。
今回取り上げた論文は,マレーシアの3か所の透析センターで行なわれた血液透析患者に対する指圧の介入効果を検証しようとする量的研究論文でした。血液透析患者は,水分,食事制限のほか,血液透析日の穿刺による痛みや経済的負担,合併症による入院管理が必要となることがあり,こういった状況が心理的な苦痛をもたらします。指圧は非侵襲的であり,実施の上で特に物品は不要であるため,費用対効果のある施術であり,心理的側面や健康全般を改善すると考えられている代替補完療法のひとつです。先行研究でも血液透析患者に指圧を実施し,抑うつへの心理的な効果が示されていますが,不安やストレスに対する指圧の効果が十分に評価されていないため,論文の筆者らはRCTを用いてその効果を検証しようとしています。
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