Editorial
非薬物療法のススメ
酒見 英太
1
1洛和会音羽病院
pp.1165
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202811
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この原稿は、後世に至っては近代史の一部として語り継がれるであろう新型コロナウイルス禍のお陰で、人々が自由行動を制限され、各種イベントが次々中止され、株価が暴落している最中にしたためている。ある評論家がTV番組でポロリと漏らした発言に「国民が消費や遊興を制限された今回の状況でも案外快適に暮らせることを覚えてしまうことが、禍が去った後の経済回復にマイナスに働く」といった内容があった。もちろん、これまでが過剰であったのではないかと国民が気づくことはマズイといったニュアンスである。
便利さ・快適さの追及は留まるところを知らず、自ら立ち止まって考え欲求にブレーキを掛けることは今回のような「天災」が発生しない限りできないのが人間の悲しい性であるが、今回のウイルス禍を、経済活動をはじめ現代人の生活態度を反省する良い機会とすることが、せめてものプラスではないかと私は思う。
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